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きよし

医学博士・理学療法士

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バリアフリー2008にいってきました(2008年4月30日)

聖
きよし
Liston&Talk

 高齢者・障害者の快適な生活を提案する総合福祉展、バリアフリー2008に行ってきました。これは今年で14回目、福祉機器の展示やケアに関する色々な講演も含め、大阪市のインテックス大阪で3日間開催される大きなイベントです。昨年は選挙後の間もない時期だったので参加できなかったのですが、今回の参加でいくつかの新たな発見がありました。

1.企業間、専門職間の協働によるブース出展

 こういったイベント(展示会)では、企業や団体がそれぞれ独立した個別のブースを出展することが通常ですが、違った形のブースがありました。ここでは5つの福祉機器関連企業と、理学療法士、作業療法士といった医療専門職、1級建築士の方々が共同して、障害を持った方に対し「座ること」「移動」「移乗」の相談を行っていました。例えば、車椅子からベッドに移る、車椅子からトイレに移る、という日常ではごくあたりまえの動作が、福祉機器を使うことにより楽に、安全に行うことが可能になり、そのことで暮らしそのものが快適になります。しかし、それを実現するためには一つの機器、一つの専門職だけの関与では十分ではありません。1)福祉機器に精通したメーカーの視点、2)障害の度合いから自立の可能性を評価する理学療法士、作業療法士、3)福祉機器を「家」で使う際に、どの位置が適しているのかを判断する建築士、の総合的な関与が必要です。こういった「理想」ともいえるサービスの提供方法が当たり前になるよう、今後の福祉政策に生かしていきたいと思います。

2.バリアフリーの考え方

 バリアフリーという言葉を聞くと、段差の解消など移動に関するイメージが大きいと思いますが、この言葉の概念が広がっていると感じました。例えば、関西電力はIHクッキングヒーター、ダイキン工業は空気清浄機を展示していましたが、障害者や高齢者にとって調理は「炎」がバリアになるかもしれない、あるいは温度・湿度の増減や微量な細菌などの「空気」がバリアになるかもしれない、という考えで、バリアフリーという概念を捉えています。私が理学療法士の資格を取得した20年前、バリアフリーという言葉すら普及していなかった時代とは、隔世の感があります。

3.フットケアの重要性

欧米ではChiropodist(足治療士)と呼ばれる、外反母趾や扁平足など足のトラブルのケアを行う専門職が存在しますが、日本ではそのような職種はなく、「足」に対する医学的感心は低いと感じています。しかし、近年では高齢者の骨折の大きな原因となっている転倒を予防するためにも「足」の機能が徐々に注目されています。足は人間の身体の中で地面に接している唯一の部分で、いわば自動車で考えると「タイヤ」の部分に相当します。タイヤがパンクすると、いくら立派なエンジンを搭載した自動車でも走らなくなるのと同様に、足のトラブルがあると人間も転びやすくなると言われています。
 足のケアの第1歩は正しい靴選びなのですが、靴にどのような工夫をすれば足に負担をかけない、バランスの良い歩き方、動かし方ができるのか客観的に判定する手段が、私達の身近にはあまり多く存在しないことも事実です。
 今回の展示で、1)左右の足の体重バランス、2)歩く時の足の体重移動、の2つを測定し、その測定結果に応じたインナーソール(中敷き)を提供する企業がありました。まだまだ世の中の感心は高くありませんが、今後、極めて重要な分野になると思います。