「モノ」
   より
「ひと」を
 中心の
  社会に

大阪府議会議員(堺市南区)

 安倍首相が突然辞任しました。組閣を成し、所信表明まで行った後の今回の振る舞いは、私のような駆け出し政治家の立場としても理解できませんが、このような時期こそ、冷静に国際社会における日本の政治力を考える時期だと思います。
 私は今回の結果をきっかけに自民党が弱体化することは全く望んでおらず、むしろ相対的に日本の政治力が低下することを危惧しています。本来、民主党は迷走している自民党ではなく、力強い自民党と対峙するべきであり、相互に政策論を戦わせた結果、民主党の政策が国民から支持されることが、日本の政治力の向上に繋がっていくと考えます。

 世界に目を転じてみれば、BRICsと呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国といった経済発展の著しい国が、自国の産業振興のため強引な資源獲得に乗り出していることは周知の事実で、昨今のガソリン高騰はこのことと無関係ではありません。また、食料需給に関しても、これまで日本の商社が経済力を駆使して成功してきた食料調達が、これらの国との競り合いで、「買い負け」てしまい、将来的に我が国で食糧危機の可能性が生じているとも聞きます。このように世界が新たな枠組みで常に動いている中で、日本は内政でもたついている場合ではありません。
 日本はかつて、欧米諸国に「追いつけ、追い越せ」を目標に、自民党という一つの政党がリーダーシップを取ることで、経済発展を遂げてきました。追いつくべき目標がある時代は、一つの政党が国家の「中心」として機能することが最適であったことは論を待ちません。しかし、1990年代で欧米諸国に「追いつき、追い越した」後は、その目標を見失い、今に至るまで長く低迷していると感じています。この点で、日本の目標であった欧米諸国自身は、果たして「追いつけ、追い越せ」という目標にした国があったのでしょうか?私は、その答えは「否」であると思います。アメリカ、イギリスという19世紀から今日まで世界の覇権を担ってきた国は、追いつくべき国を持たなくとも国家の中で2つの政党が競争することで、その位置を保ち続けていたと考えます。
 具体的にはアメリカであれば民主党と共和党、イギリスであれば保守党と労働党という2つの政党が国内で競争する、いわば「2つの中心」から成る楕円の世界を築き上げていったことが、他国との競争に負けない国家を築き上げていったのでしょう。とりわけイギリスは、日本と同様、島国でありながら、「英国病」と呼ばれた一時の低迷を脱し、今では再び好景気を謳歌しています。
 ドイツの宰相といわれたビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉を残しましたが、今こそ日本は他国の歴史を学び、自民党と民主党という二大政党への道を強く推進できる土壌を育んでいく時ではないでしょうか?
きよし

医学博士・理学療法士

ながの聖



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安部首相辞任を受けての(2007年9月14日)

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